現場の話 訪問看護体験談 私が訪問看護で大切にしていること——12年でたどり着いたこと 4月 11, 2026 12年間、毎週玄関先に立ち続けてきました。 最初は「よい看護師になりたい」と思っていました。今は、「よい」という言葉がなんなのかよくわからなくなっています。でもそれより大事なことが見えてきた気がします。 「来ること」を続ける 訪問看護師の仕事の本質は、「来ること」だと思っています。 断られても(訪問を断られた日)、怒鳴... 坂本なつ
現場の話 訪問看護体験談 「寄り添う」とはどういうことか——私がずっと考えてきたこと 4月 11, 2026 「寄り添う看護」という言葉があります。看護学校でも習いました。でも現場に出て12年、「寄り添う」の意味をずっと考えてきた気がします。 「何かしてあげること」ではなかった 最初の頃、「寄り添う」とは何かをしてあげることだと思っていました。問題を解決する、アドバイスをする、励ます。 でも現場で気づいたのは、「何もしない」が... 坂本なつ
現場の話 訪問看護体験談統合失調症再入院 退院してきた日の玄関先——「おかえり」と言いたかった 4月 11, 2026 入院中の利用者さんが退院する日に、玄関先で待っていたことがあります。 Qさんが3ヶ月ぶりに帰ってきた。タクシーから降りてきて、私を見て「あ、来てくれてたんですね」と言いました。 退院直後が一番不安定 精神科の入院から退院した直後は、再入院リスクが高い時期です。 病院という「守られた環境」から、一人の生活に戻る。服薬は続... 坂本なつ
現場の話 体験談統合失調症双極性障害うつ病 回復とはどういうことか——「治る」と「生きる」は違う 4月 11, 2026 「回復」という言葉を、どう定義するか。これは精神科の世界でも、ずっと議論されてきたテーマです。 私なりの答えは、「その人が、その人らしく生きていること」です。 「治る」と「回復」は違う 統合失調症や双極性障害は、「完治」することが難しい疾患です。薬を飲み続けても、症状がゼロになるわけではない場合もある。 でも、「症状が... 坂本なつ
現場の話 訪問看護体験談統合失調症 利用者さんに教えてもらったこと——看護師のくせに知らなかった 4月 11, 2026 訪問看護を12年やってきて、利用者さんから教わったことがたくさんあります。 「看護師が教える立場」のはずが、逆に教えてもらってばかりだな、と思うことがある。 「薬の副作用、先生に言えないんです」 これを最初に聞いたとき、「なぜ?」と思いました。副作用があるなら言えばいいのに、と。 Mさんが教えてくれました。「先生は忙し... 坂本なつ
現場の話 訪問看護体験談統合失調症GAF 10年ぶりに外に出た——あの日の帰り道のこと 4月 11, 2026 Jさんが最後に外に出たのは、10年以上前のことでした。 統合失調症の症状が強い時期が続いて、外に出ると「見られている」「何かが起きる」という感覚が消えなかった。気づけば10年、ほとんど家から出ていなかった。 訪問を始めて1年が経った頃 週2回の訪問を続けて、薬が安定してきて、会話が増えてきた頃。Jさんが「外、行ってみて... 坂本なつ
現場の話 訪問看護体験談統合失調症 怒鳴られた日のこと——それでも次の週も行った理由 4月 11, 2026 「もう来なくていい!」と怒鳴られたことがあります。 ドアを閉められました。廊下に一人残されて、しばらく立っていました。 怒鳴られた理由 Iさんは、その日調子が悪かった。妄想が強くなっていた時期で、「あなたも自分を監視している側だ」と思ってしまっていた。 私に向けられた怒りは、私への怒りではなく、症状の一部でした。頭では... 坂本なつ
現場の話 訪問看護体験談統合失調症 幻聴と生きている人——「声が聞こえる」ということ 4月 11, 2026 「声が聞こえる」と聞いて、どんなイメージを持ちますか。映画のシーンのような、大きな絶叫が聞こえる——そんなイメージを持つ方が多いかもしれません。でも実際は、もっと日常的な、もっと「それとともに生活している」形であることが多いです。 幻聴のある方と長年関わってきた中で、「聞こえることと、どう折り合いをつけているか」が、そ... 坂本なつ
現場の話 訪問看護体験談統合失調症 「今日は来ないでください」と言われた日 4月 11, 2026 訪問看護師をやっていると、「今日は来ないでください」と言われる日があります。 ドアの前でインターホンを押して、「今日はいいです」と言われる。電話で「今日は来ないでほしい」と連絡が来る。または、何度インターホンを押しても出てこない——訪問拒否と呼ばれる状況です。初めてそういう日を経験したとき、私はかなり動揺しました。「何... 坂本なつ
現場の話 訪問看護体験談統合失調症一人暮らし 一人暮らしで精神疾患——訪問看護師が毎回確認する3つのこと 4月 11, 2026 精神疾患を抱えながら、一人で生活している方を訪問することが多いです。家族が近くにいない。サポートしてくれる人が身近にいない。でも、一人で暮らしている。そういった方の「生活の実際」を、私は現場で毎週見ています。 「一人暮らしは難しいから、家族と一緒に住んだ方がいい」という意見があります。でも、一人暮らしを選ぶことには理由... 坂本なつ