観葉植物の虫対策|コバエ・ハダニ・カイガラムシの見分け方と対処・予防

観葉植物の室内でよく出る虫は、土のまわりを飛ぶ小さなハエ(ほとんどがキノコバエ)と、葉や茎に付くハダニ・カイガラムシ・アブラムシです(KINCHO園芸)。まず、虫が飛んでいるのか、葉や枝に付いているのかを見て、種類の見当をつけます。そのうえで、土と受け皿を湿らせたままにしないこと、葉の裏と枝の付け根をときどき見ることから始めます。虫の見分け、原因と対処、予防、薬剤を使うときの順に見ていきます。

虫は「出ている場所」と見た目を手がかりに見分ける

小さな虫は、出ている場所と大きさで見当がつきます。土や受け皿のまわりを飛ぶならコバエ類、葉や枝に付いているならハダニやカイガラムシなどを疑います。ハダニは0.3〜0.5mmほどしかなく、1匹か2匹では目で見つけにくい虫です(KINCHO園芸)。

観葉植物によく出る虫の見分け表(出る場所・大きさ・見た目)

葉の表面がテカテカ光ったり、べとべとしていたら、カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミなど、汁を吸う虫の排泄物です。虫が付いている印で、そのままにすると「すす病」の菌が増えて黒くなります(KINCHO園芸)。

ハダニかどうか迷うときは、怪しい葉の裏に白い紙を置いて葉を軽くたたき、落ちてきたものに息を吹きかけます。小さな虫が動き回ればハダニです(KINCHO園芸)。

土のまわりを飛ぶ小さなハエ:キノコバエとチョウバエ

観葉植物の周りに出るハエは「キノコバエ」と「チョウバエ」で、ほとんどはキノコバエです(KINCHO園芸)。ハイポネックスも、土の有機物をえさにして土に卵を産むキノコバエ類と、汚れた水から出るチョウバエ類をあげています。

キノコバエ:土に卵を産む

キノコバエは蚊のような形で、体長は1〜2mmほどです。土に卵を産みます(KINCHO園芸)。土の中の有機物(堆肥など)にすみ、春と秋に特に多く出ます(アース製薬)。

出る原因は、おもに3つです(KINCHO園芸)。

  • 買ったときの土に卵が混ざっていた。卵は小さく土の中にあるので、買うときに見ても気づけません。卵から成虫になるまでは2〜4週間ほどかかるため、持ち帰ってしばらくしてから出てくることがあります。
  • 湿気がこもり、風通しが悪い。コバエは一般に、気温20〜25度、湿度60〜70%ほどで増えやすく、梅雨はこうした条件がそろいやすくなります。室内では、冬でも空調によっては条件がそろいます。
  • 有機質の肥料や用土がえさになる。気温と湿度の高い梅雨から夏にかけて使うと、コバエが増えがちです。

一度出ると自然にはいなくなりにくい虫です。1回に200個近く産むことがあり、湿って温かい鉢土では卵が生き残りやすいためです(KINCHO園芸)。見かけたらすぐ対処します。

キノコバエを減らす方法

  1. 土の表面に石などを敷く。ハイポネックスは、無機質の用土を5cmほど敷き詰めるようすすめています。卵を産みつけられなくなるからです。卵は土の表面から3〜4cmほどの所に産まれるので、人工石などを敷くときも、ある程度の厚みを持たせます(KINCHO園芸)。
  2. 表面の土を入れ替える。卵がある表面から3〜4cmほどの土だけでも、新しい土に替えます(KINCHO園芸)。入れ替えの最中に土から大量に出てくることがあるので、必ず外で作業し、新しい土は有機物を含まない小粒の赤玉土などにします。アース製薬は、表面の2〜3cmの土を落として新しい土を足す方法をあげています。発生数を減らせます。
  3. 鉢ごと水に沈める。鉢より一回り大きなバケツに水を張り、鉢を10〜15分沈めると、水面に成虫や卵が浮くので、すくって捨てます(KINCHO園芸)。虫が浮く様子が苦手な人には向きません。
  4. 粘着トラップを置く。アース製薬は、キノコバエ類は土の上に卵を産むので、土に挿す粘着剤を案内しています。KINCHO園芸のコラムでは、ハエ取りシートが使え、ぶら下げるタイプは風で植物にくっつかないように、土に挿すタイプは子どもやペットが粘着面に触れない場所に置くようにします。キッチン用のコバエトラップは、キッチンに出るハエが種類違いなので、観葉植物の周りには向きません。

チョウバエ:水がたまった場所に出る

チョウバエは蛾のような形で、体長は1〜5mmほどです。水がたまった場所に卵を産みます(KINCHO園芸)。受け皿に不衛生な水がたまったままだと、産む場所になります(KINCHO園芸)。水やりのあとは受け皿の水を捨てます。水やりの目安は観葉植物の水やりにまとめています。

土を使わないハイドロカルチャーや水栽培にすると、土に産むキノコバエは出にくくなります。ただし、植物によって向き不向きがあり、移すときに枯れることもあるので、適した時期と手順を確かめてからにします。移したあとは、水が汚れるとチョウバエが出やすくなるので、水はいつも清潔にします(KINCHO園芸)。

葉や茎に付く虫:ハダニ・カイガラムシ・アブラムシ

ハダニ:葉の裏に付き、葉に白い小さな点が出る

ハダニは葉の裏に付いて汁を吸います。吸われた所の葉緑素が抜けて、葉の表に針先でつついたような白い小さな点が出ます。数が増えると白くかすれたように見えて、葉の色も悪くなります(KINCHO園芸)。

高温で乾燥すると増え、梅雨明けから9月ごろに勢いづきます(KINCHO園芸)。室内や雨の当たらない軒下の植物は被害の進みが速いので、特に気をつけます(KINCHO園芸)。モンステラは、乾燥するとハダニの被害にあいやすい植物です(KINCHO園芸)。モンステラの育て方はモンステラの育て方にまとめています。

ハダニは水に弱いので、対処は水を使うのが基本です。

  • 葉水をする。霧吹きで植物全体に、とくに葉の裏へ念入りにかけます(KINCHO園芸・ハイポネックス)。量は植物に合わせ、回数は1日1〜2回が目安です(KINCHO園芸)。ただしサボテンやアロエなどの多肉植物には葉水は向きません(KINCHO園芸)。
  • 鉢ごと植物を水に浸す。葉も含めて鉢植え全体を5〜15分水に浸し、浮いてきた幼虫や卵を網などで取り除きます。浸したあとは、風通しのよい場所に置きます(KINCHO園芸)。
  • 少ないときは、セロハンテープなどで取る。葉の裏に貼って剥がします。粘着が強すぎると葉が傷みます(KINCHO園芸)。ハイポネックスも、テープなどで地道に取る方法をあげています。
  • 付いた葉や茎が少しなら、切り落とす。広い範囲に出ているときは、葉水か駆除剤にします(KINCHO園芸)。

牛乳・コーヒー・重曹を薄めてスプレーする方法は、KINCHO園芸が勧めていません。牛乳は分解される途中で膜を作って植物が窒息し腐ることがあり、重曹は植物に吸われて細胞を壊すことがあるためです。コーヒーについては、環境庁の調査ではあまり効果がなかったと説明しています。

ハダニは糸を出して風に乗って移動するので、付いた鉢はほかの植物から離します。葉のほこりは週に1回ほど拭き取ると、発生の予防になります(KINCHO園芸)。ハダニに触れたときは、基本的に水で洗い流せば大丈夫です。アレルギーの原因になる可能性もあるので、駆除するときは手袋を付けます(KINCHO園芸)。

カイガラムシ:殻やロウに覆われた小さな粒

カイガラムシは枝・茎・葉に付き、体長は2〜10mmほどです。貝殻のような殻や、ロウ状・粉状のものに覆われています(KINCHO園芸)。汁を吸うので生育が悪くなり、排泄物にすす病が出て葉が黒くなります(KINCHO園芸)。

室内に入る道すじは、買った鉢に最初から付いている、衣類や持ち物に付いて入る、換気で窓を開けたときに風で飛んでくる、などがあります(KINCHO園芸)。暖かい室内では、冬でも活動して増えることがあります。雌だけで卵を産める種類もいるので、少し入っただけでも短い間に増えることがあります(KINCHO園芸)。

対処は、育ち方で変わります(KINCHO園芸)。

  • 卵:付いた葉や枝を切り取るのが確実です。手でこそぐならべとべとして不快で、アレルギーの心配もあるため、手袋を付けます。ヘラや使い古しの歯ブラシが使えます。
  • 幼虫:まだ殻やロウがなく、薬剤が効きやすい時期です。卵からかえった直後が最適で、葉の裏と表の両方に薬剤がつくようにかけます。
  • 成虫:硬い殻やロウに覆われていて、薬剤が効きにくくなります。手で取り除き、数が多いときは葉や枝ごと切ります。使わなくなった歯ブラシでこすり落とす方法もあります。

こすり落とすときは、葉などを傷つけないようにします。新芽や新葉のような柔らかい所に虫がいるときは、特に注意が必要です(KINCHO園芸)。見つけるのは、葉の裏と枝の付け根です。ここを定期的に見ておくと、数が少ないうちに取れます(KINCHO園芸)。

アブラムシ:新芽や葉の裏に群れる

アブラムシは体長1〜4mmほどで、黒・緑・黄色などいろいろな色があります。植物の汁を吸い、排泄物にすす病の黒カビが出ることがあります(KINCHO園芸)。増えるのが早いので、見つけたらすぐに対処します(KINCHO園芸、ハイポネックス)。

増えやすい条件は、窒素肥料の与えすぎと、日当たりや風通しの悪さです。窒素肥料を与えすぎると、アブラムシが好きなアミノ酸が多く作られて引き寄せられます(KINCHO園芸)。

ハイポネックスは、アブラムシが黄色に誘われることから黄色の粘着トラップを使う方法と、アブラムシが嫌うアルミ箔を鉢の下に敷く方法をあげています。アブラムシは水が苦手なので、葉が濡れていると近づきにくくなります。たっぷり葉水をかければ、すでに付いた虫をおぼれさせることもできます(KINCHO園芸)。霧吹きは葉の表だけでなく裏にもかけます。

虫ごとの対処と予防の例、ほかの方法と注意点の表

そのほかの小さな虫:トビムシ・コナジラミ・アリ

トビムシは体長2〜3mmほどで、ぴょんぴょん跳ねます。土の中のバクテリアや菌、腐葉土を食べる虫で、植物に害は与えません(KINCHO園芸)。日当たりと風通しが悪い、土が古いといった場所で出やすくなります。コナジラミは葉の裏に付いて汁を吸い、葉の色が悪くなります。外から次々に飛んで入り、高温で乾燥した場所で出やすい虫です(KINCHO園芸)。アリは植物を直接傷めませんが、部屋の食べこぼしにつられて外から入ります。アブラムシの排泄物にも集まります(KINCHO園芸)。

虫を出さないための予防

受け皿の残り水や枯れ葉は、こまめに片づけます。土に湿気がこもって日が当たらないことや、有機肥料も、虫が出やすくなる要因です(ハイポネックス)。

  • 土を湿らせたままにしない。水やりのあとは土が乾くようにし、受け皿の水は捨てます(KINCHO園芸)。
  • 有機質の少ない土にする。有機質の少ない人工用土や、堆肥を使っていない土に植え替えると、土の有機物をえさにする虫の発生を抑えられます。有機質の多い土に比べて成長がゆるやかになることがあるので、栄養が足りない場合は液体肥料で補います(KINCHO園芸)。赤玉土は虫が繁殖しにくい土です(ハイポネックス)。土の選び方は観葉植物の土の選び方にまとめています。
  • 明るくて風通しのよい所に置く。暗くてじめじめした所を好む虫が多いからです。直射日光は葉焼けを起こすことがあるので、カーテン越しの窓辺や入口近くにします。風が通りにくければ、扇風機やサーキュレーターが使えます。日光や風に当てるために屋外に出すと、虫が付いたり卵を産まれたりすることがあるので、やめます(KINCHO園芸)。置き場所は観葉植物の置き場所と日当たりにまとめています。
  • 葉水をして、葉と土を清潔にする。葉水はアブラムシとハダニに特に効果があります。葉は濡らしたティッシュなどで表と裏を拭き、土の表面は月に1〜2度掃除します(KINCHO園芸)。
  • 窒素肥料を与えすぎない(KINCHO園芸)。
  • カイガラムシを持ち込まないよう、新しい鉢や屋外から入れる鉢は、葉の裏と枝の付け根を見てから室内に入れます(KINCHO園芸)。
  • 毎日よく見て、悪い影響が出る前に見つけて、早めに取ります(KINCHO園芸)。

薬剤を使うとき

薬剤は、虫の名前と植物がラベルの適用に合うものを選び、使い方はラベルの表示どおりにします。コバエ用でも、園芸用でない薬剤を植物に直接かけると、植物が傷むことがあります(KINCHO園芸)。コバエ用は、観葉植物の周りに出るキノコバエとチョウバエに効くと書いてあるものを選びます(KINCHO園芸)。ハダニは薬剤に強くなりやすいので、ハダニ用の薬剤は複数用意して順番に使います(KINCHO園芸)。

子どもやペットがいる家では、使う前にラベルの使用上の注意を読みます。

まとめ

  • 室内でよく出るのは、土のまわりを飛ぶキノコバエ・チョウバエと、葉や茎に付くハダニ・カイガラムシ・アブラムシ。
  • キノコバエは土に卵を産む。表面の土に石などを敷く、表面の土を入れ替える、鉢ごと水に沈める、土に挿す粘着剤を置く。
  • チョウバエは水がたまった所に出る。受け皿の水は水やりのあとに捨てる。
  • ハダニは主に葉の裏に付き、吸われた葉には表から見える白い小さな点が出る。水に弱いので、葉の裏まで葉水をかけ、少なければテープで取る。
  • カイガラムシは、卵は葉や枝ごと切り、幼虫は薬剤、成虫は歯ブラシで落とすか切る。アブラムシは増えるのが早いので、見つけたらすぐに対処する。
  • 予防は、土を湿らせたままにしない、有機質の少ない土、明るくて風通しのよい置き場所、葉水と葉の拭き取り、葉の裏と枝の付け根の確認。
  • 薬剤は、虫の名前と植物がラベルの適用に合うものを、表示どおりに使う。

参考にした資料

  • KINCHO園芸(2025年7月1日に住友化学園芸から社名変更)「観葉植物周りのコバエ対策どうする?予防と駆除の具体的な対策方法」 https://www.kincho-engei.co.jp/gardeningbeginner/gardening_column2/2024/10/post-4.html ―キノコバエとチョウバエ、原因、予防、駆除
  • KINCHO園芸「観葉植物につく小さい虫とは?虫の発生原因や駆除方法を解説!」 https://www.kincho-engei.co.jp/gardeningbeginner/gardening_column2/2024/09/post-2.html ―虫の種類、予防、商品
  • KINCHO園芸 病害虫ナビ「ハダニ」 https://www.kincho-engei.co.jp/resolution/detail/1305/ ―症状、見つけ方、発生時期
  • KINCHO園芸「ハダニの駆除方法や予防方法のおすすめ!牛乳やコーヒー、重曹は有効?」 https://www.kincho-engei.co.jp/gardeningbeginner/gardening_column2/2024/10/post-12.html ―ハダニの駆除と予防
  • KINCHO園芸 病害虫ナビ「カイガラムシ」 https://www.kincho-engei.co.jp/resolution/detail/1274/ ―症状、成虫と幼虫、排泄物
  • KINCHO園芸「冬のカイガラムシ対策|発生原因から駆除・予防法まで徹底解説」 https://www.kincho-engei.co.jp/gardeningbeginner/column/2025/12/vol78.html ―持ち込み、卵・幼虫・成虫の駆除、カイガラムシエアゾール
  • KINCHO園芸 病害虫ナビ「アブラムシ」 https://www.kincho-engei.co.jp/resolution/detail/1269/ ―アブラムシの大きさ・色・被害
  • KINCHO園芸 Q&A「薬剤を使わない防除法があれば教えてください。」 https://www.kincho-engei.co.jp/qa/category1/9/ ―歯ブラシでこすり落とす
  • ハイポネックス Plantia「観葉植物が元気に育つおすすめの土とは! 気になる虫やカビの対処法もご紹介!」 https://www.hyponex.co.jp/plantia/plantia-12399/ ―アブラムシ、ハダニ、キノコバエ、チョウバエ
  • アース製薬 アースガーデン ガーデニングQ&A「モンステラの土に発生したコバエを退治したいです。」 https://www.earth.jp/earthgarden/qa/kanyoushokubutsu/monstera2.html ―キノコバエ、粘着剤、表土の入れ替え
  • アース製薬「BotaNice 土からわいたコバエ退治 粘着剤タイプ 4個入」 https://www.earth.jp/products/earth-garden-gekimetsu-stick-kobae-4/index.html ―対象、使用上の注意
  • アース製薬 アースガーデン「BotaNice(ボタナイス)観葉・多肉植物栽培なら」 https://www.earth.jp/earthgarden/botanice/index.html ―キノコバエ、アブラムシ、商品

植物の種類や置き場所によって、適切な管理は変わります。

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